外でMacBookを充電したいんだけど、
持っていくモバイルバッテリーの容量は5000mAhで足りるかな?
iPhoneを1回ちょっと充電できるみたいだけど
MacBook Air はどのくらい充電できる?
5000mAhのモバイルバッテリーでは計算上、M2 MacBook Airのバッテリーパックを1/3以下程度しか充電できません!
そこそこMacbook Airを充電したいなら、15000~20000mAhという高い容量のモバイルバッテリーを持っていきましょう。
しかし、大きな容量を持つバッテリーは重さもiPhone1個分を余裕で超えてきます。
なので、重たいカバンが嫌な人はコンセントのあるカフェで充電器を使ってパソコンを充電しましょう、
ということになります。
しかし、どうしても客席にコンセントがないカフェだらけの場所に出かける、出張するというタイミングは来るものです。
特に、見知らぬ場所だとどこで充電できるかわからず、しかしバソコンは電池切れ間近!というケースもあるので、
しばらく帰れない外出ではモバイルバッテリーがあると非常に安心です。
そこで今回は、私も出張時に何度もお世話になっている、
PCに使うためのモバイルバッテリーの選び方をご紹介します!
パソコン充電向けのモバイルバッテリーとは?
電池切れのノートパソコンをだいたい満充電(90%くらい)まで充電するには、
容量が20000mAh程度のモバイルバッテリーを選択しましょう!
それは重すぎるという方で、半分以上充電できればそれでいいという方は15000mAhのモバイルバッテリーでもOK!
M1やM2のMacBook Airはほぼ1日バッテリーが持ちますが、
それ以外のノートパソコンをオフィスにいるような感覚で使うと、バッテリー駆動の場合はフル充電からだいたい4時間〜6時間でバッテリーがほぼ0%になります。
外出先でノートパソコンを連続使用する場合は、
充電できるカフェかモバイルバッテリーの利用を考える必要があります。
ノートパソコン向けモバイルバッテリーの考え方
ではなぜ15000~20000mAhのモバイルバッテリーがおすすめなのか?
その理由を解説します!
iPhoneもノートパソコンも、その電源はリチウムイオン電池を使用しています。
通常、公称電圧はリチウムイオン電池1個(1セル)あたり3.7Vです。
おおよそのスマホもモバイルバッテリーもこの充電池を1セル積んでいます。
しかし、ノートパソコンのバッテリーは高い電圧をマザーボードへ供給するために
リチウムイオン電池を直列接続しています。
私のエンジニアとしての経験上、ノートパソコンのバッテリーはだいたい3〜4セルを直列で接続して10V程度の電圧をマザーボードに供給しています。
乾電池を3〜4個入れて力強く動くおもちゃをイメージしてもらえればわかると思いますが、
ノートパソコンもこれと似たようなものです。
それでは実際のバッテリーパックはどうなっているか見てみましょう!
冒頭の写真はM2 Macbook airのバッテリーパックです。
M2 MacBook Airの場合、バッテリーはリチウムイオン電池を4セル直列接続で11.54Vを出力する仕様のようですね。
容量は4561mAhとなっているので、買うべきモバイルバッテリーの容量は5000mAhでいいように見えますが、
そうではありません!
写真の赤下線の部分を見てください。
バッテリーパックの印字によると、
M2 Macbook Airは11.54Vで1時間あたり4561mA出力するバッテリーを積んでいる、
ということを示しています。
(“mAh“という単位はそのバッテリーが1時間で出力できる電流量を表現する単位です。)
このバッテリーを満充電にするためには、3.7V・5000mAhという一般的なモバイルバッテリーが持つ電力量では足りません。
なぜなら、M2 Macbook Airの電力量(Wh)は3.7V・5000mAhのモバイルバッテリーよりも大きいからです!
M2 Macbook airを満充電にするモバイルバッテリーの容量は?
M2 Macbook Airの電力量(Wh)はバッテリーのラベルに記載の通り52.6Whです。
では、一般的な5000mAhのモバイルバッテリーの電力量はどの程度なのか?
それは、出力電圧(V)と放電容量(mAh)のかけ算で求めることができます。
仮に出力電圧が3.7Vであるリチウムイオン電池を1セル積んだ5000mAhのモバイルバッテリーの電力量を計算してみます。
計算式は以下の通り。
(電力量Wh) = (出力電圧V)×(放電容量mAh)×1000
(電力量Wh) = (出力電圧V)×(放電容量Ah)
(電力量Wh) = 3.7V ×5Ah
(電力量Wh) = 18.5Wh
このように、M2 Macbook airのバッテリーパックの電力量を満たすにはまったく足りないことがわかるかと思います。
では高容量のモバイルバッテリーの電力量はどの程度なのか?
同様に計算してみた結果がこちら!
(赤セルはM2 Macbook airの仕様)
出力電圧(V) | 放電電流(mAh) | 電力量(Wh) |
11.54 | 4561 | 52.6 |
3.7 | 5000 | 18.5 |
3.7 | 10000 | 37.0 |
3.7 | 15000 | 55.5 |
3.7 | 20000 | 74.0 |
以上の表から、20000mAhのモバイルバッテリーであれば、おおよそM2 MacBook Airを満充電できるだろうということがわかります。
手持ちのノートパソコンのバッテリー仕様を確認できる方は、バッテリーパックの電力量を知ることができるので確認してみてくださいね!
ノートパソコンの充電におすすめのモバイルバッテリー
では、私のおすすめするモバイルバッテリーをご紹介します!
私は以下の機能があるモバイルバッテリーを選んでいます。
・最低でもM2 Macbook airを50%程度充電できるだけの容量がある
・パススルー充電に対応している
・65W出力に対応している
最後の65W出力対応という仕様を持つモバイルバッテリーは本当に少なく、その中でも私が推せるのは以下の2つです!
CIO SMARTCOBY TRIO
持ち運べるノートパソコン充電用のモバイルバッテリーの中ではコスパ・性能ともに最強の一品だと思います!
上に書いた条件をすべて満たすモバイルバッテリーで、出力は最大65W。
このバッテリーは、14インチ程度のノートパソコンならおおよその製品で充電は可能だと思います。
お持ちのノートパソコンが65Wで充電可能かどうかは、仕様書かカスタマーサポートへの問い合わせで確認するとよいかと思います。
CIO SMARTCOBY TRIOは体感ですが、ほとんどコンセントに挿した充電器と変わらない速度でM2 Macbook airを充電してくれています。
デメリットは、やはり20000mAhの容量を持つだけあって410gと重たいこと。約スマホ2個分の重さなので、リュックに入れていると非常にずっしりときます。
私の場合、海外出張に行くときにCIO SMARTCOBY TRIOをキャリーケースのフロントオープン部分に入れてしまうので、
持ち歩きの負担はあまり感じません。
私は長いケーブルを持ち歩きたくない派なので、
海外だと特に、コンセントに変換器を挿して→充電器を挿して→ケーブルをPCにつなぐという作業がとってもだるく、
しかも手持ちのケーブルは短いため、
高容量のモバイルバッテリーは重宝しています!
Anker 733 Power Bank
そこまでモバイルバッテリーを使わないが保険のために持っておきたい、
ついでにコンセントがついている充電器はあまり持っていきたくない、
という方はこちらの商品がおすすめ!
容量は10000mAhなので、M2 Macbook airを追加で半分程度充電できれは十分という方に最適です。
さらに320gとSMART COBY TRIOよりも100g近く軽く、コンセントもついているため、
別に充電器を持ち運ぶ必要がないので便利です。
普段はデスクの裏側とかに設置した充電器を使っていて、出かけるのにいちいち取り外すの面倒くさい方で、
ちょこちょこ短距離出張で一泊する機会がある方にとってはこのモバイルバッテリー兼充電器が活躍することでしょう!
まとめと補足
今回はノートパソコンに向いているモバイルバッテリー容量について解説しました!
掲載した計算結果はあくまでリチウムイオン電池の1セルあたりの概算電力量を示すものです。
賢明な電気系エンジニアの諸兄はお気付きかと思いますが、
3.7Vを5Vもしくはそれ以上の電圧に昇圧したり伝送したりする過程で損失(ロス)が出ます。
簡単のために上の説明ではロスを含まずに計算しましたが、
現実として、モバイルバッテリーの電力量とノートパソコンのバッテリーパックの電力量がイコールであっても、
実際に充電した時は満充電にならないことにはご留意ください。
最後に身も蓋もないことを言えば、外出先であってもM2 MacBook Airなら寝てる間に満充電にして外出するのがベターです。
私も実感していますし、ガジェット系YouTuber の方々もよく紹介していますが、
M1、M2チップ搭載のMacBookは外でずっと動画編集などやらなければほとんど1日の使用に耐えられます。
体への負担を考えるならモバイルバッテリーは常に持ち歩かない方がいい、というのが私の考えです。
しかし現実的にノートパソコンの充電は半日〜2日あれば切れてしまうので、出張・旅行時は充電環境を考える必要があります。
モバイルバッテリー兼充電器(コンセント内蔵+パススルー充電可)をひとつ持っていくか、
モバイルバッテリー(高容量)と充電器を持っていくか、
家とホテルで寝てる間に満充電にして日中は充電しないと割り切って充電器だけ持っていくか、
の3択から、行動スタイルに合わせた製品を選択するのがよいかと思います!
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